なぜ大塚呉服店なのか？ 17 「着物好き」
今日はある人に伝えたい。
そんなひとりごとブログです。
着物を取り扱うお店の人は
着物が好きである事。
着物の製法やスペック
それにまつわるうんちくや作法が詳しければ詳しいほどいい。
着物を毎日着るのは当然の事。
確かにそれらはとても大事なことです。
着物を取り扱うお店にとって必要条件だとも思いますよ。
でも、それで着物に興味を持つ人やファンになる人が増えればいいのですが
なかなかそのようになっていないのが悲しいかな現実だと思います。
着物は様々なハードルがあります。
「価格」の面もあるでしょう。
やはり洋服に比べお値段はだいぶ張りますからね。
というかモノによってはドン引きもののブツもたくさんあります。
また「着付け」や「保管」などの面もあるでしょう。
一人では着れなかったり絹のものでしたら定期的なメンテナンスは必要です。
着用すらままならない事や着ていない時も気にかけなければいけません。
でもそれは着物を着ないという事の決定的な理由ではありません。
決定的な理由。
それは「メリット」を感じるかどうかです。
このブログでも何度も書いていますが、
着物を着たら
『圧倒的にカッコ良くなれる』
『かわいく、注目される』
『◯◯な体験ができる』
『様々な事が有利に働く』
『普段と比べて圧倒的に変身できる』
このようなメリットが分かりやすく伝えられる事が出来れば
上記のような着物を着る・買って頂くためのハードルというのは
乗り越えられないなんてことないハズです。
以前、私の友人にこんな事を言う人がいました。
「 “この着物を着たら意中の人を高確率で振り向かせる事が出来る” 位
言えるものがあれば例えそれが100万円でも安いと感じる人は多いだろうね 」
たとえ、めちゃくちゃ高くても
自分で着る事が出来なくても
メンテナンスにお金と時間がかかっても
その価値は、そのメリットは、その全てを超える場合もある。
なんて笑いながら話していました。
荒唐無稽な事例ですが、
これがお客さまが感じる“付加価値”というものだと思います。
誤解を恐れずに申し上げますが、
着物そのものは所詮「ファッション」です。
どんなに文化だ、教養だ、長年の歴史だ、といったところで
日本人として着なければ罰せられるなどという法もありません。
着ることによる『メリット』を感じなければ選択肢にすら入りません。
これは洋服でも言える事ですが。
でも裸でいるわけにはいきませんからなにか着なければいけない
じゃあ、安いに越したことがないというのであれば
なおさら着物が選ばれる確率は低くなるのは当然の事です。
アイテムのスペックや希少性や義務感、お得感を押すだけでは
今はもう「着物好き」な方を増やす事は出来ないと思います。
以下太字部分、私の所見です。
現在の色、柄、ファッション（洋服含め）の流行を勉強しながら
見た目のビジュアルを洋服と同レベル以上に見せる事は最低限必要な事です。
それなりのコストと手間と時間をかけましょう。
現状においてWebやSNSを活用しないする気がないという事は
今後のお商売のスタートラインにすら立つ気がないという自覚を持ちましょう。
自分や着物の存在を知ってもらう為の発信は将来絶対にムダにはなりません。
「着物好き」になって頂くきっかけは今からの自分の思いと行動によります。
はい。
そろそろお客さまに
自分で「勉強して」着物好きになってください
苦労は当然なのでこれまでのルールに合わせてください
って言うのやめませんか？
そのお仕事は我々着物屋の務めです。
自分の普段の買い物の時にそんな事言いますか？
ふう。
もうすぐ浴衣のシーズンになってきます。
また、観光のシーズンにもなり各地で着物レンタルなど含め
着物に触れて着る機会がある方が多くなる季節です。
さあ、着物好きになって頂けるように
自分たちから行動していきましょうね！
超雨風強い姫路からお届けしました。
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