着物屋をやっています

兵庫県の着物屋 有限会社みさ和の2代目がつらつらと商いに関係ある事ない事書いています

着物屋の後継ってね。 4/4

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はいみなさまこんばんは。

オオツカです。

 

なんかもうここ最近のおサボりがひどくてですね、

自分で決めているペナルティ分とか考えると

なんか、やになってくる膨れ上がり方になっておりまして

しばらくは1日2記事とか不規則な感じになってしまうと思います。

まあ、そんなに読んでる人いないので気にするところでは

ないんでしょうが、

まずはこのシリーズはまず完結させましょう。

 

今更ながらの話ですが、

後継者が大変っていうのは別に着物業界に限った話ではなくて

どの業界でもあることですし、いろんな形態や種類も時代も地域差もあります。

着物業界よりも、もっと厳しい環境の方もいらっしゃるのは知っています。

 

後継となる人、本人は今後の自分の身の回りのことですから必死ですし、

自分の跡を継がせる現社長なども自分と同じ能力や環境が違う中

自分の息子や親族、こいつなら自分が頑張ってきた会社を発展させる事が

できるはずと現状と未来予測をしながらどうするか、

誰に跡を任せるべきかを決めていくわけです。

 

会社を『継ぐ方』『継がせる方』もそれぞれ必死な訳ですね。

 

状況によっては世代間のお金や各種問題もあるでしょうし、

おつきあい先や会社の立ち位置など思うところもありますよね。

このシリーズの締めとしては

あくまで私のような『継ぐ方』の視点から。

思った事を書いて締めくくりたいと思います。

 

着物屋の後継者って超不安なんです。

おいおいそんなのどこの業界でも当然の事だぜ?

と思われる他の業界の方もいらっしゃると思いますが

着物屋独特な点も何点かあるのです。

そのうちのいくつかを解説します。

 

着物業界は全盛期といわれる1980年代前半に

小売市場として2兆円という規模があり

全国で3万件を越す店舗が存在したといわれます。

今のコンビニの店舗数が5万件程度ですので

相当数存在していたという事がわかります。

 

で、現在の市場規模は2855億円(2014年度 矢野経済研究所調べ)。

http://www.yano.co.jp/press/pdf/1383.pdf

全盛期より8割減というのはよく話で出て来ます。

で、私がここでいいたいのは、

今現在「存在している昔からの着物屋さん」というのは

たまたまよく売れていた時代や諸条件がラッキーで生き残っているのでは

ないという点です。

 

理由はいろいろあると思います。

もともと地元のつながりが強固にある何代目かのお店であったり

現役、先代の社長のカリスマ性があり夜も寝ないで努力をされていたり

非常に頭の回転が早く勉強家で周囲にもブレーンやアドバイザーがいたり

時代によってやり方や仕組みをその都度変えられる才覚があったり

と。

要は運で現在生き残っているという事では無いという事ですね。

 

で、時代背景も違いますし考え方も違う部分が大いにあると思うのですが

後継者は『親父のようにはなれない』と思っている人が多くいらっしゃいます。

(上記含め理由は様々です。私の体感としてはですよ。)

 

次にこの着物業界30年間において、

 

「全盛期の頃の状況」

「現在の状況」

「今後予想される状況」

 

現役の方と後継者候補の方で認識が違いすぎるという事も

あるのでは無いかと思います。

 

ダラダラ言っていてもしょうがないので一つだけ。

例えばの話をします。

 

私は今年で41歳ですが、

実体験としての『好景気』というものを知りません。

かつてバブル景気といわれる時代がありました。

 

バブル景気 - Wikipedia

 

年代でいうと 上り調子であった景気は1991年に終焉を迎えます。

いわゆる不景気スタート時私は17歳。

つまり私の年齢以下の方、またはプラス数年の方はまだ社会に出る前で

景気がいい時代を全く知らない世代と言ってもいいと思います。

 

バブル以後、着物業界が対前年比で上昇に転じることはなかったと思います。

つまり、着物業界がいい時を知らない世代 が今後の後継者候補の

大半だという事を理解されていない方が多い気がします。

 

必然的に現社長や会長と後継者の方は感覚がまず違うという事。

そしてそれゆえに、

「着物が売れる、必要性のあるもの」という感覚は違ったものになります。

 

『継ぐ方』とすれば今までのやり方では必ず今後破綻する、

先代と同じようには能力も得意分野も違いすぎる。

同じようには出来ないと思いますし、

『継がせる方』とすればインターネットとか新規事業とかをやりたいと

若い者が入っている事を“しゃらくさい”と思われる事もあり

社の変革や改変には否定的な方が多いのです。

「その前にもっと現場で苦労して、努力しろ。全く若いのは」というやつです。

 

はっきり言って私はどちらも正しい事をそれぞれが言っている事なので

良いとは思うのですがいずれは『継ぐ方』が一人でやっていかなくては

いけない訳ですので『継がせる方』はその部分を理解して頂いて、

後押しをして頂けるような環境になればいいなと思うのです。

 

SNSとかの話をすると反射的にシャットダウンする方も多いですが、

10年後にはそれが最低限のコミュニケーションツールになっている事

も視野に入れて歩み寄って頂ければいいなと思いました。

 

ちょっと近くで、そういう後継者と現役社長のやりとりでギクシャクして

いる会社があったのでちょっとだけ事例で解説しました。

もっと深掘りした話はまたどこかの機会で。

 

とりとめもないお話ではありますがこの辺で。

 

仲良くしなよー!! まったく。

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました。