大塚呉服店物語 ⑨
こんにちはオオツカです。
あの悲しみを2度と繰り返さない。暇さえあれば下書き保存。
そんなギスギスした自分との孤独な戦いを行なっております。
みなさまご機嫌いかがでしょうか?
(記事が完全に消えました。悲しい…。)
私は今、神戸から東京へ移動する新幹線の中で書いています。
前回完成まで書いておりましたこのシリーズの続編を全く違う内容でお届け。
お笑いありで書いていましたが真面目で。
そんな感じで参りましょう。
今、大塚呉服店というお店を作っている訳ですが、
前回がお店の「箱」、「ハード」としてのお話。
今回は「コンセプトの組み立て」、「ソフト」としてのお話です。
「そもそもなんで着物って定価がないんですか?」
ミーティング開始1分で山田さんからご質問。
その理由をいくつか上げていきます。
・長年の業界の慣例で最終価格は小売店が決め易いようになっている
(メーカーが希望小売価格を設定していない)
・定価が設定されている商品もあるが価格の幅が広すぎるので
統一性がない(5千〜数十万円)
・商品アイテムが「式服」「普段着」「季節品」の
廉価品と高級品を同時に取り扱いをしているお店が多く
価格帯や品質が時期によって品揃えがバラバラになり易い
「でもそれ、お客さまには関係ない事ばっかりですよね?
なんで全部一緒にやろうと思うんですか?」
え?
「着物屋さんの悪いところはターゲットにするお客さまや取り扱いの商品を
全方位でやろうとしているところなんです。
多分、お客さまのニーズにすべて答えようと思っていたりそうしないと
他店との差別化が図れない、売上が成り立たないって不安なんでしょうけど。
それって今の時代、今からも絶対やっちゃいけない事だと思いますよ。」
それはそれは外の業界から見た着物の世界の異質な部分をバンバン言って頂いて
終日フルボッコにされました。
もうヘコみまくりでしたが確かにおっしゃる通り。
では、この打合せ中にすんごいたくさん問題点が出たんですが、
新ブランド立ち上げに際して組み立てを行なう事が決定したものを
箇条書きで纏めてみます。
①ターゲットとするお客さまはトコトンまで細かく設定をしてそのお客さまが
喜ぶ商品構成、お店作りをする事。それ以外のお客さまは考慮に入れない考えない。
②価格、取り扱い商品のセレクトに制限をつけてお店のテイストが維持出来る
ルール作りをしっかりと行なう。それを守る事が出来る責任者を作る。
③お客さまがお店に触れる、知る事為のタッチポイント
(HP、web、DM、チラシ、店頭、買物袋、名刺、スタッフ、イベント)は
デザインや運営方針を統一させる。
④取り扱いをしている商品を「着物」って考えてこれまでの業界の慣例や
常識に囚われないようにする事。
あくまで「ファッション」として考える事。
⑤商品についているパッケージ(ナイロン袋や下げ札、箱など)が
まるっきり統一されていないので見せ方を考える。
「あとですね。
着物のお店の人達、とりわけその経営者はもっと勉強して下さい。
ファッションについてやお店の見せ方、着物を楽しんで頂く方法や伝え方。
他の業界、例えば他のアパレルブランドも景気がよくないって悩んでいる
ところも多いですけど彼らは日々勉強をして自分たちのターゲットのお客さまに
どうすれば楽しんでお店に来てもらえるか必死で考えてますよ。」
「短くしか分析出来てませんが、それが着物業界には足りない。
人や環境や政治のせいにしてたってしょうがないですよ。
周りみんな条件は一緒なんですから。
昔は良かったとか日本人は着物を着なきゃいけないとか言ってる時点でおかしい」
見事なほどぶった切って頂いています。
でもこれからの時代、
着物っていうものも変わっていかなければいけないものなんですよね。
伝統的なもの、機械やコンピューターでは再現出来ない技術を守る事と同時に
商品のスペックや希少価値だけではお客さまに響かなくなっている今、
「着物を着て楽しむ」という事がどうゆう事か。それを発信する。
興味がない人に「着たい」と思って頂く為にどうするべきか考える。
私にとってはそんな考えを持つきっかけになったフルボッコでした。
でもウチ一社がどうこうしたところで変わるようなものでもないんですが、
まずは一つの事例として見てもらえればもしかしたらと思ってもいます。
さあ、いよいよお店のハード面とソフト面が動いて参りました。
この時点でお店のオープン60日〜90日前の出来事。
このあと問題点が続出するお店の改装や、方向性の決定などやる事は
盛りだくさんの中果たしてオープンは間に合うのか。
乞う、ご期待!とか言ってみたり。
ちょっと今日はこのあとアレしてアレなので早めの更新でした。
もし体力があれば夜にもまた書きたいなあ。
もう少しで100記事です。
おかげ様でちょい見えて来たような気が。
本日も最後まで読んで頂いてありがとうございました。