着物屋をやっています

兵庫県の着物屋 有限会社みさ和の2代目がつらつらと商いに関係ある事ない事書いています

着物が好きになる時のはなし

 

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こんばんはオオツカです。

今日はですね、すこーしだけ数字を交えていつもと違う視点から

見た着物についてのお話をします。

 

最近出たばっかりのリアルな着物業界の最新データなんですが、

お時間があれば見てみて下さい。

詳細PDF→http://www.yano.co.jp/press/pdf/1383.pdf

                        出典:矢野経済研究所      

  

まあ、簡単に言うと、

年々下がっていた市場売上が去年(2013年度)に

久しぶりに前年対比で増加し好転しましたよと。

しかし、2014年4月に行なわれた消費増税で駆け込み需要があった事、

それ以降の反動減があり市場規模はまた縮小しました。(2014年)

というまとめ。

 

グラフは以下の通り。

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ちなみに販売チャネル別の市場構成はこんな感じ。

 

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 アレ?こんな感じなの?って思われた方もいるかもしれませんね。

 

まあここは経済とかマーケティングのブログではないゆるい感じの着物ブログ

ですので数字のお話はこの辺にしておいてですね、

 ちょっと皆さんにお聞きしたいんですが

 

最近、着物着ている人多くなったなーって思いませんか?

 

とくに観光地や繁華街などの場所を中心に複数名のグループあるいは

若いカップルなんかですね。外国人の着用も増えました。 

 

市場の売上規模は減っている。

でも、以前よりも着物の着用者は増えている。

 今、こんな状況になっています。

 

理由として考えられるのは

『レンタル』『リサイクル』『洗える』着物が増えた事です。

 

近年5000円〜10000円程の価格でいわゆる洗える着物を中心に、

着付けも含め1日からフルセットでレンタルをする専門店が出来ました。

また、写真館さんなどのスタジオなどでも写真代に衣装のレンタルは含まれる

お店が多くなってきています。

成人式の時に着る振袖なんかも多いですよね。

 

きものを「買う」よりも「借りる」ケースが増えてきています。

ちなみに、上の表の市場規模・売上にはレンタルによる売上は含まれていません

(もちろん線引きがむずかしいケースも多いと思うんですが)

 

レンタルについてどうとか着物を購入するしないの話ではなく、

単純に思うんですがなんにせよ、

「着物を着たいと思って着物を着る人が増えている」

と言う事が重要と思うんですよね。私。

 

ここでちょっと話が変わりますが、私の身内の話をします。

 

私には一つ違いの妹がおりまして、

彼女は着物屋の長女として生まれたわけです。

女の子が欲しかった両親はそれはそれは喜んで彼女用に着物を

せっせと作るわけですよ。振袖とかもうんと豪華なヤツとかです。

 

しかしながら着物に興味が薄くですね、成人式も嫌々振袖を着てたくらいです。

学校を卒業後大阪の会社に就職するんですが、

数年後そちらの会社の都合で退職する事になった訳です。

大阪で再就職するかと思っていたようですが、

実家に帰ってきて仕事を手伝えと両親。それに折れて帰郷する事になります。

 

もちろん着物にそんなに興味がない妹ですので事務の仕事を中心に 

ある弊社の店舗に入ります。もう退屈でしょうがなかったそうです。

そちらのお店はいわゆる呉服店で式事に着る礼装着が中心のお店でした。

 

その後、私が入社し新しい着物のお店を立ち上げるのに参加します。

それも最初は嫌で嫌で、ある時は「もうお店行きたくない」と言ってました。

 

でもですね、浴衣を取り扱い出した頃から自分と同年代のお客さまと

接客させて頂いて、キャッキャしながらあーでもないこーでもないと

やり取りをする頃から着物に対しての見方が少し変わってきました。

 

積極的に着物についての勉強をし、いろんな雑誌を見ながら

着物に合わせる帯や小物達の妙も面白くなってきたようで

母が用意していた手持ちの着物やリサイクルの着物にいろんなコーディネートを

する事に完全にハマっていました。自分のお小遣いで買物をしたり、

着付けも勉強をはじめ、出勤はもちろん着物を着てお出掛けもするように。

 

どうすればもっともっと楽しく着物を楽しめるようになるかと。

 

もちろん環境的に特殊なケースという事もあるかと思いますが

要するに「着物は楽しい」「おしゃれ」「奥深さ」を身を持って体験する事が

出来ると着物も悪くないなと思ってもらえる第一歩になるって事なんですよね。

 

特に今はSNSをはじめwebを通じて個人の発信、受信が盛んにされるように

なっています。今後も益々発展していく事になるでしょう。

もっともっと着物が楽しくなるような発信を我々業界側から積極的に

行なって着物に少なからず興味を持っている方いない方に伝わるように

努力する必要がありますね。

 

着物の形がどうとか着付け方法がどうとかいう事も一緒に考えなければ

いけないとは思うのですが。 

 

あと、礼装着など式事の着物なども情報がまだまだ不足している事も原因が

あるかもしれませんね。

着物ファン、元着物ファンに向けて商品のスペックばかりではなく、

多少の手間があっても着物を着ていく事の素晴らしさをもっともっと

伝えられるようにがんばって参ります。

 

まだまだやれる事はたくさんあるはず。

 

 

ちょっと今回支離滅裂かも。スイマセン。

 

本日も最後まで読んで頂いて誠にありがとうございました。