着物屋をやっています

兵庫県の着物屋 有限会社みさ和の2代目がつらつらと商いに関係ある事ない事書いています

さて、なぜニュースになって注目されたのでしょーか?

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チラッと聞いてはいましたが

本日ニュースになっていましたのでご紹介を。

 

普通いわゆる着物関連のニュースといえば、

 

“芸能人の◯◯さんが着物を着ましたよー”とか

“地方や商業施設で行われるや時節に合わせたの事柄”とか

“海外でこんな注目やショーが行われましたー”とか

 

そんな感じのものが大半を占めるのが普通なのですが

いわゆるイベント発信的なニュースではなく

ある種、久しぶりといってもいいほどですが

着物のそれも生産の現場についていろんな注目が集まったというやつなのです。

 

さて、事の発端は5日前。

Twitterの一つのつぶやきからでした。

 

京都西陣織りんどう屋さんアカウントからのツイート 

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これに反応がものすごく(最初多くは否定的な意見)、

以下のようなニュースが本日ネットにまとめの記事として出ました。

このニュースを元にyahooニュースや各種キュレーションサイト(まとめ)

などに拡散されるまでになりましたよ。

 

J-castニュースから


詳細は大体上記サイトにツイートの中身や本意、

業界を第三者的にみた感想、中の人から伝えたい事などまとめてありますので

是非お読み頂ければと思います。

ここでは簡単に解説を。

 

まあ、要はみなさん食いついた部分はココですよね。

 

ただし最初の半年は給与的なものも出ませんし、

その後の仕事を保証はできません。

 

これに対してすごい数コメントや反応があるわけですが、

「なんというブラック企業

「搾取以外の何物でもない」

「この業界なくなればいいのに」

と辛辣なものがズラーっと並びます。

 

で、それに対してご主人の佐々木さんのご見解。

 

「タダで労働させようという意図は一切なかったんです。

実際、私はいまも1人の弟子を抱えていますが、

彼女には自分の都合を優先して貰い、

自由に来て貰っています。

どちらかといえば、習い事のように捉えて頂きたかったんです

 

上記サイトより

 

はい。

 

つまり今回、

伝え方のミスからのTwitter炎上

ということですね。

 

しかも、上記が本当であるならば

入学金や授業料が無料

かつ自己都合スケジュールによる技術の専門学校

ということでしょう。

 

しかも生産現場最前線、Webショップありって。

単純に伝統工芸の技術を学んでみたい人、

販売の方法を学びたい人からすれば普通に最高だろって話ですね。

(記事のみを読ませて頂いての感想なので悪しからず)

 

で、このやり取りがありながら記事はここから違う方面へと繋がっていきます。

 

いったいなぜ、

西陣織の職人はそこまで厳しい状況に置かれているのか?

 

この疑問。

記事にも載っているのですがその一つが、

『職人の高齢化により年金支給ありきからの工賃の相場の低下』

です。

 

要はこういうことです。

平均年齢が65〜75ともいわれる業界の人たちは

現在、各種年金を支給されています。

着物業界は現在も下げ止まりを見せず

メーカー・卸業・小売それぞれに厳しい状況にあります。

エンドユーザーに近い卸・小売は少しでも売り上げや利益を確保するため

メーカーなどに工賃の値下げや商品の委託を打診します。

となるとメーカーとしては作業工賃を下げざるを得ず

自身のお給金を下げてでも仕事を受けようとします。

そこで年金ありきで値下げに応じますから

ますますそれ以下の年金支給前の年代の職人さんたちは生活が厳しくなり

廃業や転職を余儀なくされるか別口での収入を得なければやっていけないのです。

それでもなぜやるの?といわれれば義務感・好きだからとしか言えないでしょう。

 

ちなみにこちらはネットショップをされていると書きましたが、

一昔前であればメーカーや卸がこんな事もする事も許されない状況だったのですよ。 

 商売の仁義に悖るってね。

だからこの業界は特にインターネットなどでの

自身の発信やお商売がまだまだ未開拓な部分が多いのかもしれません。

PCやHPやSNSどころかガラケーらくらくホンどころか

携帯電話すら持ったことがない人も未だにいますもんね。

 

今回なぜニュースになりこんなに広がったのかというと二つ。

 

一つは

わけわかんない理論で上から目線でタダ働きをさせようとしているのか?

と誤解をされ、しかもその業界のことを知らない方がほとんどだったという事

 

そしてもう一つ

めんどくさがらず自分から発信をされ(お商売を含め)、

それに対しての意見にしっかりと返答をされ続けた事

 

ではないでしょうか?

 

こんな事書いたら怒られる。

 

こんな事したら恥をかく。

 

今までの業界ではタブーだったか出来ない。

 

そこらへんを恐れず行動していくのは

これからの我々の世代では必須なのかもしれません。

とにかく発信は自分から。

ですね。

 

最後に佐々木さんいいことをおっしゃっています

 

「炎上してしまって申し訳ないとは思いますが、

正直な話、この発信力には驚いています。

こうした状況にならなければ、

西陣織の職人についての投稿が

こんなに大きな注目を集めることはなかったでしょう。

その点に関しては、本当に嬉しく思っています」

 

全くおっしゃる通り。

 

知られてナンボ。

 

知られなければ存在しないのと同じ。

 

ですよっと。

 

着物業界のライバルは着物業界では

とっくになくなっていますからね。

 

ウチもガンバロー!!

 

おわり 

 

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