着物屋をやっています

兵庫県の着物屋 有限会社みさ和の2代目がつらつらと商いに関係ある事ない事書いています

業界の常識は世間の非常識かも

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私は大学を卒業後すぐに当時京都に本社を置いていた

全国チェーンの着物小売店に就職をしました。

数年間お世話になりその後実家である着物店に帰りました。

 

学生時代はそれはもう様々な職種のアルバイトを経験しましたが、

社会人になって以降着物以外の職を経験する事なく今に至っています。

さらに私の場合生まれた時から実家が着物店を営んでいるという事も

ありますので私の人生、着物にどっぷりなわけなのです。

 

長い時間一つの世界に留まってばかりでいると

自分の業界や近い身の回りの事というのがごく自然な当たり前のもの、

「常識」として捉えてしまう事があります。

業界の外の世界や世間から見てみると非常識に見えるもの

がよくよく思い返してみると案外と多く出てくるものです。

 

今日は着物業界を例にいくつか挙げてみましょう。

 

その1 「定価がない」

 

最近でこそ少しづつメーカー元からいわゆる「希望小売価格」を

設定されて販売される商品が普段着を中心に出てきましたが、

それでも大半の商品は「定価」の設定がされていないのが現状です。

 

誰が決めるのかというと一般のお客様に直接販売を行う小売業者が

主に“自社の仕入れ価格”などを元に設定します。

会社によって変わってくる部分としては

販売を行うに当たって掛かる様々なコストなども加味した価格設定であったり、

仕入れ方法や支払い方法によってメーカーや卸などで仕入れ価格自体が変わる

場合もあります。

 

基本的に着物の場合同一の商品というものは

そんなに数多く出回るものではありませんが

あのお店で見た商品に似た物の価格が全然違うというケースもよくあります。

そういう意味ではそのお店が高いか安いか、いい物を取揃えているかどうか

というのをお客さま側から見分ける事は至難の技です。

さらに値引きを前提とした上乗せ価格をしている場合、もう何が何だかです。

 

 

その2 「全商品を取り扱おうとする」

 

洋服屋さんであっても電気屋さんであっても

お店によって取り扱いする商品のカテゴリーや対象のお客さまというのは

決まっています。

というか、決めないとお店がしっちゃかめっちゃかになるからです。

要は一つの洋服ブランドの店内に

燕尾服やスーツ、ゴスロリ衣装、激安子供服、ウエディングドレスを置いたり

しないという事なのですが着物屋さんは結構これをやります。

 

式服から普段着、子供用の着物、洋服、宝石、寝具、健康系、雑貨など

シーズンによっては激安浴衣とか結構なアイテム種類の幅です。

これで『ウチの得意な商品はコレ!』というのが分かればいいんですが

外から見ると何が得意な何が特徴のお店かが分かりにくいお店が多々ある気がします。

(と、いいながら弊社も猛省です)

 

 どうしてもたくさんの方面に対応しないといけないという空気は感じられます。

 

 

 その3 「着物は高くて当たり前と思っている」

 

素材は最高品質の絹、製造に関わるメーカーは一流どころ、人間国宝級の作家、

日本で最高の技術、制作期間は数年などという品は数千万円を超える事もあります。

そのような商品は稀でフツーのお店では取り扱いません。

通常のお店で取り扱う物は価格の幅はありますが、

数万円〜100万円までが主だと思います。

 

着物屋さんは10万円であれば安いと気軽にいう人がいます。

しかし、『洋服と比べると』一般の人は非常に割高に感じられる事もあります。

もちろん値段が張るという事には理由が様々な理由があるのですが

それを発信もしなければその価格に対する価値が伝わっておらず

お客さまは「高っかいなあ」と思われますし、

着物屋は「安いのになあ」と思うギャップが生まれるのです。

 

 

以上の3つはあくまで一部分でまだまだ業界の常識というものはあります。

皆さんの業界はいかがでしょうか?

世間一般の常識と乖離しているところはありませんか?

業界の外からの視点を異業種の方から教えてもらったりという事も良いのですが

やはりまずは自分自身が『常識を疑う』という意識を持つ事が

先かもしれませんね。

 

そのためにはSNSなどをはじめWebなどで情報を収集したり

コミュニケーションをとる事が解決策の一つではありますが

最も大事な事は自分自身が発信を行うという事だと思います。

 

発信をする事で自分自身も考え、

さまざまな人たちから思いもしないような意見をもらい

またそれを元に考える。

 

そして、上記の『非常識』3点は自身の発信を行う中で

 

・お店がどのような事を考えて商いをしているのか

・どのようなお客様に来て頂きたいのか

・自店に来て頂いたらどのようになれるのか

・お店を信用して頂くきっかけになる

 

を交える事でお客様に広く知って頂け、

解決するかもしれないという事です。

しかもほぼ無料で。

 

非常に便利な世の中です。

是非、活用したいものですよね。

 

以上です。

 

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