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兵庫県の着物屋 有限会社みさ和の2代目がつらつらと商いに関係ある事ない事書いています

大塚呉服店物語⑭

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みなさまこんばんは。

オオツカです。

 

残すところ今回を入れてあと3回。

そろそろまとめにかかっていきますが

どうぞよろしく。どうぞよろしく。です。

 

前回までの大塚呉服店物語

 

 

「大塚さん。すいません。

     工期がズレ込むかもしれません。」

 

と、施工業者の方とデザイナー氏とのやり取りの中で、

ポロっと出た言葉。

 

え、

 

えーーーーー!!なんでーーーーーー!!!

もう、今更オープン日も変更できないですよー!!

どういう状況なんですか??

 

で、それぞれのお話を聞いて、

まとめますとこういう事のようです。

 

◯改装中の物件は築80年を超えていて、

 さまざまな部分の劣化や工事途中まで進めてみないと発見できず

 追加で補強や修繕を行わなければならない可能性が元々高かった

 

◯進めていく中で問題の箇所が発覚。

 当初予定していた施工方法では安全性が保てないため補強のため

 柱を1、2箇所建てたいとの施工側と、それではデザインが

 大きく変わってしまうので却下というデザイナー側それぞれの意見が平行線。

 

◯いぞれにせよ問題解決の為には予算の増額、または工期日程の延長にならざる得ない。

 

さて、どうしましょうとの事。

 

その時に私から言えたことは一つだけ。

 

 

「なんとかして下さい」 

 

 

何か別のアイデアが出ないかとデザイナーの関さんは

何度も打ち合わせをしてひねり出してみたり、あちこちと相談に出かけてみたり

施工の現場の方と話し合いを繰り返してみたり、

最終的に業者の社長さんにも立ち会って頂いて交渉をしたりなど

いくつかは私もご一緒しましたが怒涛の行動力でした。

 

その甲斐もあって、

結果予算も工期も安全性も全てクリアできる案や工程を組み

予定通りの引き渡しは大丈夫という話でした。

(どのような施工にしたかなどは 少し記憶が曖昧なので割愛します)

 

正直私はデザイナーという世界をこの時はほとんど知らず(今もそんなに知りません)、

「そのくらいの事であれば別にそれでよくないか?」

というところでも彼は一切妥協はしませんでした。

 

実際、

この後の「内装」「照明」「什器」「備品」のひとつひとつに至るまで

引き渡し当日その時間以降までも目を光らせ、自分の設計したものが

その通りにできているのかをチェックしさらに加工など自分でできる事は

自分で手伝いをやっていました。

 

そんな東京在住の関さんがしばしば京都の現場に現れ、

施工の納期が迫る中言った言葉、

 

『神は細部にやどる』

 

その時はちょっと聞いた事がなく、ふーんという感じでしたが

完成を知っている今では分かる。気がします。

 

で、ちょっと調べてみましたがなんかしっくりくるのがなかったので、

素人の方ですが上手にご説明されている問答がありましたので

こちらをご紹介。

 

 さらにこの京都店は冒頭申し上げたように築80年。

その古い部分を残すところは残し、新しいものは新しいものを

“おさまりがいいように”作られたお店だと思います。

 

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上記の写真の色石(紺、白、紫)はもともとお豆腐さんだった頃に

使われていた床石を砕いて着色したものです。

色はあえて着物ではほぼ使われないであろう蛍光系の塗料を塗布しています。 

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昔の建物ですので天井高が低く圧迫感がありましたが、逆にそれを利用して

天井を張らず昔の屋根裏が見えるようにデザインされています。

 

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 目に見えるタイルの部分は昔ながらのツヤのある白タイルを剥がさず、

その上から塗料を塗布せず、グラインダーを使って一枚一枚削りました。

(この種類とサイズのタイルはもう日本では作られていないそうです)

また、階段部分は昔のままのものの上にモルタルを引いていますが

綺麗すぎるという事で、ハンマーやドライバーのようなものを使ってあえて

凸凹にして調和させています。

 

尚、レジで使う備品や照明、音楽、香りに至るまで一件一件これぞというお店に

連れて行ってもらい購入しました。

逆に勝手に準備すると怒られたほどでした。

 

普通ここまでうるさくされると正直げんなりしそうですが、

関さんはまったく何もわからない私に様々な事を教えて頂き、

「何故そうあるべきか?」「そうしたほうがいいか?」まで

説明をしてもらっていましたのでこの部分は最後まで混乱を起こす事は

ありませんでした。んー多分。

 

ちなみにこのお店ですね、

オープンは2012年の11月23日。

引き渡しはその数日前だったのですが結果、

「仮」引き渡しとなりましてお店がオープン後数度に分けて

プチ施工や直し、什器の手直し、追加の小物などなどありまして

最終の引き渡しは2月(笑)でした。

 

ちなみにこの時にお願いした施工業者さんはその後、神戸・新宿のお店も

手がけて頂いています(デザインは関さんです)。

本当に執念と自身と様々な方のご協力があってこのお店が完成する事ができました。

 

みなさんすごいや。

ありがとうございました。

 

さて、そんな中最終の打ち合わせの中で中川さん。

 

「さあ、レセプションどうしようねえ」

 

れせぷしょん?

 

続きます。

 

本日も最後までお読みいただきまして誠に有難うございました。

 

 

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