着物屋をやっています

兵庫県の着物屋 有限会社みさ和の2代目がつらつらと商いに関係ある事ない事書いています

大塚呉服店物語⑬

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みなさまこんばんは。

オオツカです。

 

前回の物語

大塚呉服店物語⑫ - 着物屋をやっています

 

 

昨日は大塚呉服店神戸の2周年でした。

周りの皆さんに手伝って助けて頂いて

なんとか出来上がってからもう2年。

早い早いーですね。

 

さて、この物語シリーズですが、

さすがに長くなりすぎてきましたので

もういろいろと決めておきたいなと思いました。

 

話はあと4回で終わらせます。

最終話は11月23日にアップします。

(この日は大塚呉服店が京都に誕生して丸3年になる日です)

 

いっつもグダグダになっているので自分に喝を。

 

では、続きです。

 

オープンを約一ヶ月後に控えた10月のある日ですが、

問題が発生しました。

すごくシンプルですがすごく重要な問題。

 

その2つの内の1つが今回のお話。

 

単純な話なんですよ。

 

本当に。

 

 

『  商 品 が 足 り な い  』

 

 

 大塚呉服店の特徴は、

1万円・3万円・5万円のスリープライスの着物と帯

 それに和装、洋装を問わず洗練られた服飾小物たち。

 

 

普段から仕入れをしている京都のメーカーや問屋を

めぐりながら選品をしましたが、各社お持ちの在庫状況や

在庫がある中で選んでみても足りない。

 

オープン当初に設定したSKU、在庫数分の商品確保が出来ないのですね。

価格での縛りが商品のセレクトの上に、

統一感のあるイメージも考慮するわけですから

商品自体が選べるものが少なくなりすぎてしまいました。

総数として準備するのが困難な状況で

商品のセレクト、仕入れを担当していたスタッフから

「どうしましょう?」と。

 

やはり足りない価格帯は3万円のプライスゾーン。

 商品の数を確保するためには現在揃っている倍近くを

集める必要がありました。

 

 

“いいな”と思った商品は必要な価格帯からズレていることや

逆に少しセレクトの幅に目をつむればなんとか使えそうな

商品などもありました。

 

つまり、商品の価格帯に合わせるために商品価格を安くしたり

(最初から値引きをして利益を削る)、

大塚呉服店のテイストと設定したセレクトと多少趣きが

違う商品を数合わせのために揃えるしかないかなーと

時間もないことですし少々考えていました。

 

やはりお二人からご指摘。

 

『値引きも妥協した商品セレクト

        絶対にやめてください』 

 

 

「お店のグランドオープン前の準備っていうのは大変です。

 どれだけ前もって計画していてもトラブルが起こってしまったりで

 大抵バタバタになってしまいます。これはしょうがない。

 スタッフが集まらなかったり工事が遅れたり商品が決まらなかったり。」

 

「でもね、絶対にやってはいけないことは、

 

 “決めた事が簡単にブレる事”と

 “身を削っての商売をする事”です。

 

新しいブランドを立ち上げるにあたって、

もっともその後失敗しやすいのがこのケースです。」

 

と。

簡単にまとめるとこんな感じでしょうか? 

 

『結局何がしたいか分からない 』

 

 優先すべき順位が違う結果です。

 しっかりと整えられた商品や陳列やルールがあるからこそ

 お客様に伝えたいお店の思いが伝わるんです。

 ここが適当だとそういった姿勢がお客さまに透けて見える。

 ひいては今後ちょっと何かあればブランドの基本であるはずの事が

 簡単に揺らいでしまいます。

 

『 安易に値引きをしたり自腹を切ったりしない』

 

 商売の基本は商品を売って自分も儲ける事です 。

 そのコンセプトに合うものがないからといって

 簡単に値引きしたりして合わせようなんて思わないで下さい。

 自分たちの努力が足りないのを棚に上げて、

 利益の源泉の部分を簡単にいじるのはおかしい。

 ボランティアでお商売をしているわけではないでしょう。

 

 「どうもいろいろな呉服店を見ているとにありがちな部分なのですが、

 最初から少々高めの価格設定にしてあって買う買わないになったの時

 最後の後押しで大幅な値引きやサービスをつけてみたりのという

 販売形態が当たり前になっている気がします。

 それはお客様側からみた時に強い不信感になっている。」

 

  「それを払拭する為はじめようとしているブランドが

 大塚呉服店なわけですよね?

 今までの仕入先や関係先に商品がなければもっと探しましょう。

 なければ間に合うものを作りましょう。

 『いよいよ明日オープン』となるそのギリギリの時まで努力し続けましょう。

 まだまだやれる事はたくさんあるはずです。」

 

 で、京都に限らず様々な地域の関係先に連絡をして商品の協力をお願い

 してまわったり(先日の居内商店さんなどもそうです)、

 社内にあるデットストックや生地などで商品を製作してみたり、

 加工代込みでお誂え付きの商品を設定してみたり、

 様々なアイデアと新しい商品の仕入先などがなんとかかんとかですが

 オープンまでギリギリでしたが揃える事が出来ました。

 

 その他の服飾小物などもメーカーと調整し個性的なものが揃いました。

 

 なんでも安易に楽な道に逃げるのではなく

 どのようにすればブランドはより活気付き楽しいお店作りになるのか

 その点に気付かされた商品選品、準備でした。

 

 で、そうこうしている内にもう一つの問題点が

同時進行で姿をあらわして参りました。

 

「大塚さん。すいません。

     工期がズレ込むかもしれません。」

 

マジっすか。

 

続きます。

 

本日も最後までお読みいただきましてありがとうございます。