着物屋をやっています

兵庫県の着物屋 有限会社みさ和の2代目がつらつらと商いに関係ある事ない事書いています

ご存知でしょうか。さらに、進化する一つの着物の姿。

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こんばんは。

オオツカです。

 

今、現在においてますます思うのですが

人のご縁というのは不思議なもので

ある日突然出会い、仲が良くなる人もいれば

一旦疎遠になって、突然再びまたお付き合いがはじまる人もいます。

もちろんその逆もありますがね(笑)。

 

今日はそんなお話。

 

大阪の船場に『居内商店』さんという

カジュアル着物を中心にネットショップを運営されている会社があります。

 

 ※現在メインのWebサイトは全面改装中です

その他にも別ブランドもあります。

「さく研究所」さん。

大塚呉服店でも年に数度イベントなどでお世話になっています。

さらには、様々な記事からデジタルプリントを行う会社も立ち上げておられます。

 

オリジナル生地プリントのデジナ 発色、堅牢性が良い染料デジタル布染色

 

おそらくこの分野のカジュアル着物や生地製作、ネットショップ

においてはトップクラスの会社だと思います。

非常に顔も広くいろんな方もご紹介頂いたり、

様々なプロジェクトに参加されておられ毎日多忙にされています。

 

その店主の居内さんと初めて出会ったのは

ある大阪の商業施設のイベントに出店をしたのが最初でした。

(正確には覚えてないのですがおそらく10年以上前の話。)

当時から他社よりも一早くネットショップを運営されており、

その独特の個性的な着物や小物類は多数のファンからも支持をされていて

イベントやリアルショップにおいても大変に人気のお店でした。

もちろん現在においても。

 

今ではさらに進化を遂げており生地の製作から自社を中心として

製品を作られています。

 

約一年前のICHIROYAさんのブログからですが、

見ていただいた方が分かりやすいかも。

(というかICHIROYAさんも居内さんからのご紹介頂きました)

 

と、いう居内商店さんなのですが、

先ほどのイベント後たまにご連絡などを取らせてもらいながら

「そのうち一緒にモノ作りをしましょう!」

などと話してはいたのですがなかなか実現までには至る事なく

徐々に疎遠に。

まあ、よくあるパターンなのですが。

 

しかしそれから時は数年流れて、

今から約3年前の今ごろの時期に私からご連絡を入れました。

 

当時立ち上げ直前であった

大塚呉服店の商品が必要になりご相談の為でした。

卸などされているかどうか分からなかったのですが

私の方はちょこちょことWebなどで拝見をしていましたので

どのような商品やサービスなどを取り扱われていたのかは

知っていましたのでダメもとで。

 

でもなー。

最後に連絡してからだいぶ経ってるしなー。

というかそもそも覚えられてないかもなー。

忙しだろうしなー。

 でも思い切って。

 

幸いに弊社のブランドの『WAKON』の名と私は覚えて頂いていて

快諾を頂き大塚呉服店オープン当初の商品にご協力を頂きました。

 その後ほんの少しづつですが一緒に企画を行ったり商品の開発を

させて頂いたりなどでお付き合いはまた再びはじまる様になりました。

 

 これは現代のネットを介した人間や会社関係の姿の一つです。

 場所が離れていてなかなか会えなくてもそれぞれが頑張っている姿は

自宅でもスマホでもいつでも見る事が出来、ある程度考えや行動が分かる。

特に私のような最近自分の発信を継続する事を始めた人間は

こういった関係性を作る事の凄さ大事さを実感するのです。

 

しかしながら、

すべてには自分から行動をするという意思と実行力が

必要不可欠なわけで実際には家や会社に篭ってばかりいては

いけないのも事実かなと思っています。

自分から出歩いて、探して、人と会って、話をする。

いやー実感しました。大事ですね。

 

そして現在居内さんはこの様な事にもどんどん挑戦されています。

 

 

 

一日数柄、着物をデザインしてTwitterで発表しています。

しかも毎日。古図案などが中心ですが。

 

以前では正気の沙汰ではないこの不可能な作業も

現代のデジタル技術とミックスさせて可能にされており、

使いこなされています。

 

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たとえばこの写真。

同じモデルの人が違うきものをきている様に見えますが、お気づきでしょうか?

髪型、手の位置、表情、着物のシワすべて同じである事を。

これが現在のマッピング技術でもあります。

製作はこんな感じ。

 

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無地の着物を着たモデルの写真に製作した柄を当てはめて、

着物を着ている様に出来るデジタル技術を使っておられます。

なので、

 

現物を一枚も作っていない状態から

お客様にお見せする事が出来る。

注文を受けてから短い時間で製作する。

 

もちろんその為にはディスプレイ上の正確な色に染める技術や加工、

生地の問題などありますが居内さんは次々とクリアされており

さらなるクオリティアップの為に毎日着物図案の製作と実際の製造を

行われています。

 

目指せ1000枚着物デザインだそうな。

ちなみに一番最初の伊勢海老の帯もマッピングです。

上記のウェブショップで見れます。買えます。

スゲー。

 

お人によっては“こんなの着物じゃない”と

おっしゃられる方も中にはいらっしゃいます。

 

しかしながらあくまで私の意見ですが、

一点一点職人が技術を凝らし長い時間をかけて作る「着物」もあれば

様々な業界の人がアイデアを出して現在の最先端技術を積極的に

使い短い時間で作るのもまた、「着物」なのだと思います。

正しい伝統やしきたりの中の凜としたしゃんとする着物もあり、

洋服に近い感覚で気軽に着れる着物もある。

双方それぞれを忌み嫌う事もないのではないかなーと思っています。

 

まずは着物を着て頂きやすい場を作り、

その中でそれぞれが発展していけるように

微力ながら弊社もお手伝いする事が出来ればと思います。

 

とか。

ちょいと真面目なのもね。

 

本日も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございます。