着物屋をやっています

兵庫県の着物屋 有限会社みさ和の2代目がつらつらと商いに関係ある事ない事書いています

勉強しても実践しないとね。

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こんばんはオオツカです。

 

41歳になり初投稿です!

とか、この辺りが前回記事からの必死さを表してますね。

自然体で行きたいものですがさて。

 

SNSでもなんでも書いてなかったのですが(というか忘れていた)、

先日東海地方のある県へ行って参りました。

台風が九州を直撃していた日だったんですが、

近畿・東海地方には関係あるまいと思って車で出発したんですよ。

 

ところがみるみるうちに豪雨、強風になり高速道路も一部通行止めに

なりそうな勢いであったので途中で経路を変更して新幹線に切り替えました。

新幹線は若干の遅延があったものの無事目的地へ。

 

で、某社の社長さんとお会いできてお話を聞くことが出来たんですが

なにせ 「 許 可 取 っ て な い の で 」ボカしながら

ご紹介したいと思います。

 

その会社は呉服のメーカー、一次卸をされている創業から70〜80年の会社です。

 

呉服が全盛期の折はすさまじい売り上げと利益を上げており

業界的にも一つのカテゴリー、商圏では最大手となっている企業でした。

 

現社長さんは2代目の方で全くの畑違いの業種から入社されました。

跡を継ぐにあたって幾つかの条件を出されたようですが、

お父さんである先代社長はそれをのまれその後経営にも口出しもされなかったとか。

 

当時その会社は、相当幅が広い品種で展開しており業界でも

京都の大手総合問屋さんを相手にお商売をされておられ、

売り上げの大半を占めるお得意様との関係をうまく維持しながら

取り扱い高を維持、増やす為の施策というのが主の業務となっている

そのような環境であったそうです。

 

その後の業界といえばバブル景気も終わりライフスタイルの変化や

様々な習慣が変わったことも影響し着物というものは必要な物という考えから

贅沢なものと意識されるようになり市場の規模もみるみるうちに減少していきました。

 

そんな時に売り上げの大きな割合を占める取引先から取引額を大幅に減少するとの

通知があったそうです。その額なんと10分の1へ。

10%オフじゃありませんよ90%オフですよ。

 

最も太客であるお得意先に通達があった時はさすがに倒産か廃業が

頭をよぎったそうです。

このままの事業を継続していくのはかなり困難。

どんなにリストラや得意先を増やしたとしても今後先は見えている。

 

で、この社長さんは決断されます。

 

『根本的にやり方を変えちゃえ』

 

大きくは2つ

 

1つ目は、

先代の社長さんは総合の呉服(礼装から普段着、その周りのもの全般)を

取り扱いされていましたが、ほぼ数品種に絞り込みをされてそれに特化

した会社に作り替えました。

また、今までの取引先であった京都の問屋さんから全国の小売店さんに

完全にシフトしました(もちろんそれなりの手順を踏まれた上ですよ)。

 

2つ目は、

会社の事業部を元々の呉服の部門とは別に自分が今まで務められていた

業種の部門を社内に新設し『自分が得意、自分が好きな仕事』を取り入れ、

それぞれの部門がしっかりと成り立った上で他の部門をサポートできる

そんな体制に現在はなっているようです。

 

 社長さんご自身でもおっしゃっておられましたが、

跡を継いで呉服一本で積極的に仕事をしたいかといえば

そんなことはなかったそうです。

しかしながら、なくすには惜しい。

でも、自分のやりたい事もあると。

 

上記のような状況になった時に振り切ってしまえと決断されたわけです。

それも自分が楽しいことも仕事に入れてしまえと。

 

現在は最盛期から比べると社員数や売上高などは相当変わってきているようですが

ご案内頂いたいろんな部署でお会いする社員の方々は非常に前向きで

エネルギッシュな方ばかりでした。

みなさん楽しんでお仕事をされているそんな感じが伝わってきました。

そして何より社長さん自身もご年齢の割にものすごくパワフルで

まだまだやりたい事がたくさんあるとおっしゃられていました。

 

もしも会社が極限の状況の時になった時に、

 

人の目を気にしながらなんとか無理をして無理をして切り詰めながら

同じ考えのもと同じ商いを続けていたとしたら。

 

自分が嫌で嫌で仕方がないのに生活の為に、とやる仕事が延々と

続くストレスのたまる環境を我慢して続けていたら。

 

それはとても不幸な結果になってしまうかもしれません。

実際に呉服の業界は上から下まで廃業、倒産の嵐になっています。

 

仕事を楽しんでやるのも苦しんでやるのも自分次第。

なんとなく漠然と考えながらではありましたが、

この日は実例として行われている会社を見せて頂きお話を聞けて

とても幸せでした。

 

楽しんで、自分が好きなことをしながら周りのみんなやお客様を

幸せにできるそんな環境にしていきたいなと強く感じました。

もちろんそれは並大抵の事ではないですが。

 

まだまだ努力不足ですが明日も頑張っていこうと思います。

 

本日も最後までお読み頂きましてありがとうございました。