大塚呉服店物語 ⑪
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私は本日は再び京都におります。
久しぶりのコチラのシリーズの更新です。
「いくつか質問します。
“何を売るお店”にしたいですか?」
ええっと。着物です。
「なるほど。では次、“誰に売りたいですか?”」
20〜40代の女性がターゲットと思っています。
「お店の一番の売り。つまり、“お客さまがこのお店を選ぶ理由”はなんですか?」
きものが好きなスタッフの親切丁寧な接客とコーディネート力です。
「“一番力を入れている商品と価格帯”はどうですか?」
洗える素材や木綿の着物で20000〜70000円位が人気です。
「“こんなお店にしたいというイメージ”はありますか?」
常にお客さまがワイワイと賑わっていて楽しいお店になればいいなと思います。
私はじめ、当時の京都店店長やスタッフ数名を交え、
中川さん、山田さんとのミーティングの主な質疑応答です。
お店も引っ越し、改装をする事も決まりあまり時間はありませんでしたが
これまで数ヶ月に渡っての情報交換を踏まえつつ実際にどのような
お店にしていくのかを打合せしています。
お2人の手元には過去数年間に渡る在庫や販売実績のデータがあり、
数字の面での確認もされました。
打合せの内容全部はかけませんがその一部として、
【お客さまの平均お買上げ単価が毎年、毎月増減している】
【商品の品揃えに対して実際売れているものが違う】
などが判明。(っていうかちゃんと調べとけよ!って話ですが)
この部分も併せて話し合いますよ。
「“ブランディング”ってね別に突飛な事をやったり、
特別な商品やサービスを取り扱うことじゃないんですよ。
お店も商品もサービスも全体としてのイメージに一定の方向性を
作り出して、他社と差別化を図る事なんです」
「売れない理由ってのは多くの場合“分かりにくい”って事が原因の
大半だったりするんですよ。
お店をわかりやすくする為にいろいろ整えて、
自分たちが来て欲しいお客さまが来てもらえるようにして、
営業や売り込みや割引せずに買って頂ける仕組み
それを作る事が差別化です。
逆にやってないお店はなんとなく売っているお店だからファンが出来ないんです」
と両氏。
「では」、とこの後フルボッコにされる訳ですが詳細まで書いていると
なかなかの長文になりますので上記の問題点をまとめると以下、
・ 何を売るお店にするか?
「きもの」を売るなら「何の種類の着物」を売るのか決める。
この際、スタッフが思う“お客さまの需要”などを考えない。
メイン商品との関連性が薄い商品は捨てるべき。
・ 誰に売りたいか?
出来るだけ細かく設定をしたいところではあるが、
今から出来上がる初めてのブランドで経営者とスタッフの
意識や情報の共有と考えると分かりやすいなにかが必要になる
・ お客さまがこのお店を選ぶ理由とは?
商品の品揃えや価格・サービスで勝負しようとすると
中小企業は大資本には絶対に勝つ事は出来ない。
また、「お店に来て体験して頂く事によッての差別化」
という事はこのお店には通用しない。(観光地中心部なので)
・ 一番力を入れている商品と価格帯
現在は価格幅も何もかもが広すぎる、大雑把すぎるもう一度
数字を元にしながら考えてみよう。
などなど。
実際にはもう少し細かく詰めて話し合った部分もあったのですが、
この辺りにさせて下さいね(笑)。
長くなりそうですので今回は、
新店舗のオープン準備後も“自分たちで継続して”商品やお店のテイストを
情報共有する為に私とスタッフで行なった、
【イメージコラージュ】のご紹介で締めたいと思います。
やり方:
今から作るブランドの大枠、約束事や枠組みを決めた上で、
そのブランドに “ふさわしい” “ふさわしくない”というものを
分けていきます。
その一例、
「言葉」「市場にある製品」「サービス」「風景」「人」「既にあるお店」
「季節」「国」「芸能人」「既にあるブランド」「雑誌」「テレビ」など
写真の切り抜きやコピーなど実際に参加者が事前に用意し持ち寄ります。
それを皆の前で1つずつなぜ選んだかを短めに発表し、みんなで直感で
これはOKこれはNGと選んでいきます。
どの部分にブランドらしさを感じるかを何度も話し合い
おぼろげながら作りたいブランドの輪郭が少しずつハッキリとさせていきます。
そこで出来上がったものをまたお2人にご相談を繰り返しました。
↑(ヤバいー模造紙のサイズが足りないーの図 まだまだ未完成です)
その中でこれからのお店が目指していきたい形が出来上がってきました。
まだまだ詳細は詰められていませんでしたが、後にお店のコンセプトになる言葉
「着物が着たくなる呉服店」
「着物をまた、日々のものへ」
というキャッチコピーのアイデアが誕生したのでありました。
続きます。
本日も最後まで読んで頂きましてありがとうございました。