着物屋をやっています

兵庫県の着物屋 有限会社みさ和の2代目がつらつらと商いに関係ある事ない事書いています

デザイナー氏とわたくし 後編

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                                Designed by Yusuke seki

おはようございます。オオツカです。

 

まさかの2部構成となってしまいましたこのお話。

前回終盤時点で時間と文字数大幅オーバー確定という事で

後半戦に持ち越し、スタートです。文章を上手に纏めるって大変。

 

「正直デザイナーという職業の方というのはよく分からない」

「実はちょっと苦手なんですよ。」

と言ってみた後のお話。

 

なんでかっていう理由は前編にも書いたような事ですが、

 

◯着物業界内外で見聞きしたりしたデザイナーに対する悪評や失敗事例。

 

◯”デザインで最先端のもの”を作りたい「デザイナー」と

 ”小奇麗にして売上を以前よりたくさん売上を作りたい”という「経営者」

 との一見交わりそうにない立ち位置の違い。理解や思想の違い。

 

◯気難しそうで、スカしてて、なんか横文字多そうでしょ(失礼)。

 

この考えに対する意見を聞いておかないと後々お互い変な感じなっても

イカンと考え質問をしたわけです。

怒るかイヤな顔されるんだろうなーと思っていたら

 

「分かりますよー。すごく。そういう部分ありますもんお互い。

 だからそこはお互いに勉強をしてうまくデザインを使ってもらったら

 いいと思うんで。

 まあ、多分大丈夫じゃないですかね。」

 

新店舗の契約が決まった大塚呉服店がその後どのように作られていくのかは

例のシリーズで続きをやっていくとして、

この打合せ後に起こった事や出来上がったデザインの製作物の

ほんの一部ではありますがご紹介します。

 

関さんには

様々な異業種、同業種のお店やデザインについての勉強を

させて頂く場所や機会をたくさん設けてもらったり与えてもらいました。

 

新しく出来る商業施設や海外の流行もの、様々な業界の方にもご紹介を

頂き着物業界以外の方達との交流をしいろんな立場での考え方を

聞いたり見たりする機会など。

 

ひよっこ経営者の私が今までの常識の外の世界や、

デザインを上手に活用している企業の実例を直接勉強をできて最近、

ほんのちょーーーーとだけ理解が出来るようになりました。

もうホントにあちこち行かせてもらったので「ナニ遊んでんだコイツ」って

会社では見られてたかもしれません。(というか今現在も継続中)

 

逆に私の方は、

包み隠さずさまざま掛かる予算についての話し合いやお店の困っている事、

デザイン最優先の考えから現場でお客さまが使い易い、分かり易いという

ユーティリテーの部分などの要望を極力聞いてもらうように話し合いを

して、それを彼が作るデザインの中に落とし込みをお願いしました。

 

デザインリテラシーを勉強して、

経営リテラシーを知ってもらう。

そのために特に大塚呉服店立ち上げにはほぼ毎日と言ってもいいくらい

連絡を取り合って様々打合せを行ないました。

「コイツらホ◯なんじゃないの?」と思われるほど。(違うからね)

 

で、彼が作り上げた店舗以外の製作物(店舗はシリーズ物の時に)のご紹介。

 

 その1 店舗ロゴ

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                             Designed by Yusuke seki

 

これは一見すると何の変哲もないロゴ ですが、実はオリジナルフォントです。

既存にあるフォント2つを組み合わせて作っています。

「大塚呉服店」という着物ブランドが全く今までにない完全に新しいお店と

いう事ではなく既存のものをギリギリのバランスで組み合わせ”編集”した

スタイルである事を表現したモノにしたいという事で作られました。

(表現が間違ってたらゴメン!)

ちなみに右下にある家紋はいわゆるコピーライトマーク(© ←これね)を

もじったもの。大塚の家の家紋です。違い鷹の羽。これ用に調整されています。

 

その2 名刺

 

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               Designed by Yusuke seki

 

大塚呉服店において関係する社員スタッフの名刺は全員違います。

裏の「色」は選んだ時点で”永久欠番”にします。

つまり一度選んだらその色は他人は使えないようになっています。

ちなみに私の色は「濡烏(ぬれがらす)」です。

名前だけ聞くとなんじゃそらですが、意味がありまして

 

【日本女性の髪の色彩を形容する言葉。また、その髪のもつ黒の色名。 

 日本人女性の理想美であり青みを帯びた黒を指す】 

 

一番最初に頂きました。

日本女性の着物を語る上で黒髪が一番美しいと思っている。

私の考えというか、えー、まあなんかそんな感じ。好き。

ですので弊社ではもう使えません。そういうルールに。

 

右下のアイコンも所在地によって違います。

私は兵庫県の”姫路” ”太子町”という場所にいるので

 

「鳥居」  ←大きい神社がある

聖徳太子」←彼の所領であったので

「姫路城」 ←白い、白すぎるぜというカッコいいお城

 

各店によって違います。

(新宿とかはスカイツリー、神戸はイカリマークとかね)

 

その3 HP、DM

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                          Designed by Yusuke seki

 大塚呉服店HP:

http://www.otsuka-gofukuten.jp

 

DMやHPを見て頂ければ分かると思うんですがいわゆる「商品」「価格」の

事は一切書いてません。

狙いはただ一点。『着物が着たくなる』ように作られています。

 

ハッキリいって商品はウチが完全オリジナルで作っているものというものは

まだ少ないので他のお店でも買えます。

でも私たちは商品そのものだけの価値ではなくファッションとして

着物を楽しんで頂ける環境を作って行きたいという思いを込めて

作っています。

 

これらはすべて関さんのアイデアや根気強い打合せによってなんとか

形になった一例です。

本来はこういったものはもっと上手に告知するべきなんでしょうが、

いかんせんやっとSNSをはじめた私ですのでこういった事をもっと

発信してお客さまに役立てて頂けるように努力しなきゃいけないなーと

思っているのですよ。

 

現在は関さんはもんのすごい数と質の仕事の依頼が来ており、

ヒーヒーいってますがこれからも継続してお互いが高め合えるような

関係性が保てればいいなあ。

仕事の付き合いというより大事な戦友というか親友のような感じですけどね。

(グルフレでもあるしなあ……。スゴい店知ってんのよあの人)

 

ま、ぬるい事やってたらウチが切られそうだけど。

 

こんな感じでモノ作ってます。

じゃあ、しつこいくらい「Designed by Yusuke seki」書いとこう。

なんにせよまだこれからの「大塚呉服店」ですがどうぞご贔屓に。

 

今日も最後まで読んで頂いてありがとうございました。