着物屋をやっています

兵庫県の着物屋 有限会社みさ和の2代目がつらつらと商いに関係ある事ない事書いています

私が料理人にあこがれる訳

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こんばんはオオツカです。

 

たまにこのブログでもチラチラと差し挟んでますが、

(ものすごい単純な料理)私の趣味の一つが料理をする事です。

 

それと同じくらい好きなのがおいしい料理を食べる事。

 

いろいろと調べてから一人ではじめてのお店に挑戦したり、

いいお店を教えてもらってみんなでワイワイしながら

あーでもないこーでもないいいながら料理批評したり。非常に楽しい。

 

 楽しむポイントは、

 

「単純に味がおいしいかどうか」

「そのお店固有の売り(他店との差別化)がどこにあるのか」

「お店のシチュエーションや雰囲気などはどうか」

「自分の知らない事を教えてくれるかどうか」

 

などなど他にもたくさんありますが、

近所のラーメン屋さんからちょっとした高級店(そんなにいけませんが)など

チャンスがあればいろんな所に出掛けています。

 

私が大学生の時に一人暮らしをはじめた頃の話です。

 

住んでいる駅前にある古い喫茶店でたまに食事をするのが楽しみでした。

とくにそこのマスターやスタッフと仲良くなったとかそういうのではなく

田舎から都会に出てきて外で、しかも一人で食事をするという行為が

すごく大人な気がしたという事もあるかも知れません。

 

メニューは取り立てて普通の「唐揚げ定食」「ピラフ」「カレー」といった

ものでした。おそらくフードメニューは全部制覇したと思います。

 

ある時に同じく駅前のスーパーで買物をしていた時に、そこのマスターが

買物していたんですよ。(材料の買い足しかもしれませんが)

えー!ッて思いました。買っている量が明らかに個人用のレベルではないし

普通にレジで支払ってるし、卸価格とかでもなさそうだし。

学生ながら「経営成り立つのかよー」と。

 

ですが、卒業後10年後位にその駅に行ったらまだありました(笑)

 

もちろん飲食にもいろんなお店の形態があると思いますが、

 

一般的に飲食業は創業設立から、

 

  1年もつ確率は40%

  10年もつ確率は6%

  20年もつ確率は0.3%

 

とデータが出ていて、一時はよくてもライバルや景気・風評に

よって左右されやすく継続・展開をするのが非常に大変な業界といわれています。

 

(業界全体としては縮小傾向にあるようですが)

  飲食店の店舗数推移と市場規模 | Vita Ricca.

 

中小の飲食についてはシェフオーナーの形が多いとは思いますが、

経営をしていく為に必要なスキルはいくつかありますよね。

 

・調理師(なくてもOKですが)となってからたゆまぬ努力

 【毎回同じ味が出せる、あたらしいメニューの開発、技術の維持、人材の開発など】

 

・いかなる状況になってもお店を維持できる経営ノウハウ

 【景気情勢・利益分析、広告、集客、価格設定、サービス、危機管理など】

 

・日々変わっていく環境やブームなどの情報分析と対応

 【不景気対策、ブーム・目玉商品、閑散期・繁忙期対策】

 

まだまだあるんでしょうが自分で調理をしながら全部に対応していかないと

いけない訳ですね。美味しいだけではダメ、効率がいいだけではダメ。

小売店よりたくさんの苦労がありそうです。

 

あるお店は食べログの有名店になり、お客さまもバンバン来られている

人気店のオーナーがいますが彼は毎日気を失う程調理場に立って日々の

調理とメニューの開発を行なっています。

で、オーナー曰く「儲かってない、いつもカツカツ」

 

また、あるお店は調理の大半はセンターキッチンでほぼ済ませ各店に定期的に

8割出来上がった材料を運んでお店ではアルバイトが仕上げるという事業です。

で、オーナー曰く「儲かってしょうがない、次は何をしようか?」

 

どちらが正しいかは今現時点では分からなくて事業の継続性という事では

上記のような確率みたいです。

技術と経営の両立。あと維持。

 

私は単純にこの人たちスゲェって思う訳です。

 

私含め我々着物業界は、

 

彼らほど一生懸命生き残りの為に真剣に考えただろうか?

お客さまにあなたが必要といってもらえるように努力しただろうか?

他店・異業種との差別化の為に技術やアイデア、後継者育成の為に努力しただろうか?

 

考えるとあまりに努力が足りない部分があったのではないかと思うんです。

うまいメシ喰えば喰う程思うんです。

もっと頑張れるんじゃないかって。

希望もって明日からも頑張ろうって。

 

こんなお店を作ろうって思う勇気をくれる努力する料理人を私は尊敬しています。

 

着物には普段着も礼装着もあるでしょう。

伝統と民族意識、作法や教養もあるでしょう。

でも、もうちょっと現代にあった協調と整理しましょう。

技術の保存も同時にかんがえましょうよ。

 

着物好きな(なりかけの)お客さまはたくさんいらっしゃいますし、

着物業界の成り立ちや過去の流れもあるとは思うんですが

悲観ばかりでなく前向きに努力できるようになればいいなという

話につなげてみたらスゴく長くなったってオチでした。

 

まあ、仕事では自分に言い聞かせ行動していきたいと思いますし。

それとは関係なく今後趣味の料理のレシピ研究をどんどんしていきたいですね。

興味ある方、プロの方是非教えて下さいね。

 

最後に、

件の駅前喫茶店を今グーグルマップでみてみると

まだ営業されてました!(祝)スゴい!

あれから22年以上続いてる訳です。近々行ってみよう!楽しみ!

 

 

本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。