外から見える自分の業界の不思議
自分の身の周りの”当たり前”をまったく違う別の場所から見てみると、
自分の業界の”常識”を異業種の立場から検証してみると、
驚くほど非常識や矛盾が存在する事の発見ってありませんか?
本日は繊維産業ジャーナリストの南充浩さんのブログで
興味深い記事をアップしておられたのでこちらをご紹介したいと思います。
「現状形態を維持したままでは、現在の着物人口は絶対に増えない」
詳しくは上記のリンクからご覧いただくとして、
簡単にまとめると、
【現状の着物の4つの難点と改善しない不思議】
日常生活がしづらい
洗濯、手入れが面倒
洋服に比べ高価格
約束事、決まり事が多い
【着物の形態、着付け法を現代似合う形に変えない不思議】
【新技術、新素材を着物の形状や素材に仕様変更しない不思議】
の3点に重点をおいてまとめられていました。
私はお会いした事はありませんが南さんのブログには和装の記事以外にも
鋭い視点で分析されていて大変参考になりますので是非ご覧になってみて下さい。
さて、私も今回の記事には概ね同意します。
そもそも「着物の定義」ってなんなんでしょうね。
要はこれがはっきりしていないから分かりにくいんですよね。
今まで通りの着付け方法も作法もルールに従わなきゃダメ、
平均身長や裄丈も年々のびるけど限界寸法内でなんとかしなきゃダメ、
変更・遊びを入れちゃダメ、着崩れもダメ、
ダメ、ダメ、ダメ……。多い…。
「なんで?」「めんどくさ」って思うのが普通ですよ。
なのでダメダメ言っている方は是非”これこそが着物の定義!”(キリッ!)
っていうのをまとめて頂きたいて公表して頂きたいと思いますねー。
着物 = 礼装着 という構図が基本となっているのが問題です。
礼装着と普段着のルールと線引きがごっちゃに
なっているケースが多く、前述の着付けや形態が礼装基準に
なっているのが当たり前の世界です。
初心者はきもの着て文句言われる意味が分からないんですよ。
普段着の場に教養を持ち込むなと。
最低限のルールが間違っている場合(左前とか)はダメとしても
それをクリアした普段着については基本ルール無用でいいと思うんです。
(例えば彼氏がジーパン前後ろ反対に着てたら突っ込むでしょうが)
現在の着物業界には時間が残されていないと言われる方も多くいらっしゃいます。
伝統工芸など継承や維持が難しい職人さんの技術保護やその流通など。
ですので、私は着物業界が復活する為にはまず礼装と普段着を
明確に分けて、それぞれの問題点の対策の為に
施策をしっかりと作り実行する事が急務ではないかと思っています。
すぐ行ってみたい着物の2つの事、
1、技術の保護
・まもなく消滅する危機のある技術の選定。
各地にて、その保護や助成を行い後継出来る下地作りを期限付きで行なう。
・製作の為の道具・機械の確保や保全。現代の技術とのマッチング検証。
これは礼装・普段着問わず
間もなく無くなってしまう技術の保護→育成を
国が積極的に介入していく事が重要と思います。
2、着物が洋服に対抗しえるまで普段着着物のあらゆる自由化
・日本に限らず海外の素材やデザイナーなどから現代の着物の作成
・とことん現代にあった着物作りを行なってみる
(洋服メーカーと共同製作可)
・とにかくいろんな着方をしていても温かい目で見守る勇気を養う
ここは国の補助は要りません。
とにかくみんなで楽しくまずは着てみたくする。
しばらく開けてなかったタンスを開けてみて、YOUTUBEの動画を見ながら
自分で着付けして出かけられる風潮作りなど。いろいろ。
長々となりましたが、要は身内で引っ張り合いしている場合じゃなくて、
外から見ている人たちはすごく冷静に見て分析しておられるよ。
われわれ着物業界もいろんな意味で協力して頑張りましょうと
言いたかった本日でした。
本日も支離滅裂の文章を最後まで読んで頂いてありがとうございました。