着物屋をやっています

兵庫県の着物屋 有限会社みさ和の2代目がつらつらと商いに関係ある事ない事書いています

お店の個性化について

 

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  伊勢から戻って参りました。

 

  今日は終始大雨の一日でしたが、そんな中でも伊勢神宮の周りは

  大勢のお客さまで賑わっていてこの土地の圧倒的ブランディング

  パワーを頂くと同時にさまざまな勉強になりました。

  気になっていた厄払い(本厄の)も

  神楽殿で御神楽をお願いしました。とりあえず一安心かな。

 

  さて、今日はお店のためによかれと思って

  やった事が結果的にお店の意図が伝わりにくく、

  分かりにくくしてしまった二つの事例のお話です。

 

1、在庫商品がたくさんあった方が売上が伸びるという幻想

 

  数年前に異業種の経営者の方と話をしていた際に、

 「あなたのお店(着物屋)はなぜターゲットのお客さまの為に

  絞り込んだ商品の取り扱いをせずに、

  広い浅い品種で大量の品揃えをしようとしているのか?」 と。

 

  少し考えて、

  商品の品種や物量が少ないと商品を買いにこられたお客さまが

  その商品の取り扱いが無い事で対応できなくなるともう来られなく

  なる事が不安になるからですかねー。それから〜

  とか、そんなやり取りをいくつかしていたら、

 

 「じゃあ、別にあなたのお店で買う理由がないじゃないか。」

 

  たとえば洋服のお店が女性、男性、子供服、礼装とカジュアル、

  低価格と高級品を限られたスペースで取り扱いを広く浅くの商品

  でごちゃごちゃで陳列してあるような商品に一貫性がなく

  なにが他のお店と比べて差別化が出来ているか全然分からない

  そんな店で買物をしようと思うか?

  それに商品が山のようにあったとしてもそれはお客さまからすると

  逆に見えにくい探しにくくなる。お店の個性も見えない。

 

  と、抜粋しましたがこのようなお話を頂きました。

  よかれと思ってやっていた事は自分の不安に対してのよかれ

  だったんですね。ぐぬぬってなってしまいました。

  

  自分もお客の立場の時はお店を選びますもんね。

  自分が好きなテイストで統一されている店。

  高級品は高級品の、低単価は低単価の構成で、

  ある程度絞り込まれた年齢層向けで、

  カジュアル・礼装がはっきり分けられている。

  そして何より他のお店との差別化がしっかりできている

  個性的なお店である所を。

 

2、なんでもお客さまのご意見としてお店に反映させようとする

 

  ここでいうお客さまのご意見というのはいわゆるクレームの

  話ではなくて、

 

  「◯◯の商品を入れて欲しい」

  「◯◯した方が他のお客も喜ぶのに」

  「◯◯のサービスがあったらいいのに」

 

  というお客さまの申し出の事で以前は

  ”お客さまの立場になって” ”もっと便利なお店に”

  なるためにと出来るものは片っ端から行った時期がありました。

  

  その結果1の話と重なる部分もありますが、

  すごく特徴のないお店になってしまいました。ごちゃごちゃの。

  

  普通に考えれば自分達の方が業界でプロとしてやっているわけで、

  お客さまのいう申し出を参考にしながら、

  自分で見抜かなければならないんですよね。

  お客さまの「ニーズ」や「ウォンツ」というものを

  自分達で編集、加工をして、分かりやすい発信を、継続してし続ける。

  その事をお客さまに頼ればなんとかなるんじゃないか

  と逃げていた訳です。

 

 

  お恥ずかしい事ですが中からだとなかなか

  こんな当然の気付きも当時はできませんでした。

  とブログを書きながら、再確認中。

 

  今でもまだまだ勉強と実践が足りないなあと思う訳です。

   頑張ります。

 

  本日も最後まで読んで頂いた方ありがとうございます。