着物の価格が分かりにくいといわれる理由について①
着物を着た経験のない人からすると最も分かりにくい事の一つは
「価格」とおっしゃいます。
もちろん素材が絹であったり合成繊維であったり、
生産される産地や商品として出来上がるまでの時間と手間
によって大きく違ってきますので価格も数千円〜数百万円と幅が出てきます。
今日は着物の価格そのものについてではなく、
それが高いのか安いのかを計る為の「基準」についてお話をしたいと思います。
先日知り合いがこう言っていたんです。
「友達が呉服店をしているので、男物のフォーマル一式を購入したんだけど
友達価格で30万に大負けで負けとくよっていわれて買ったけど
これって高いの?安いの?分からないなー。」
ですよね。
テレビとかを見ていると、
”玉子が一個300円” オオー高いー、みたいなのがありますよね。
あれなんで高いって思うかというと普段の玉子の価格を知っているから
高いって分かるんですね。
逆に、玉子が10個 10円とかだと”安すぎだろ!”って思いますよね。
(最近はスーパーなんかが集客商品にするケースも多いので思わない方も
いるかもしれません)
だいたい普通スーパーで売っているのはL玉10個入り
160〜200円くらいでしょうか。一個当たり20円程度が基準ってことです。
なので↑上記のような商品だと10個で3000円!高い!、一個1円!安い!と、
高い・安いが分かる訳です。
着物ってこれがないんです。
振袖ならこのグレードでこの位、浴衣ならこの位の価格とか。
だからお客さまは買われる時にそれが高いのか安いのか適正なのか
非常に分かりづらい。
着物屋は商品のスペックや希少価値の話、加工の手間ひまの話しかしないので
着物を購入するしない以前のバリヤー(お客さまがお店に入りづらい、買いづらい)
を貼ってしまっているんだと思います。
弊社もまだまだ分かりにくい部分が多いので言えたものでは無いんですが。
その解決の為の一環として、
弊社の大塚呉服店(普段着専門店です)というブランドでは
価格帯に縛りをかけています。
基本的に3プライス(1万、3万、5万円)である事で
その価格で販売する事が出来る商品を全国で探しまくって品揃えしようと
しています。
ある呉服関係者にそんな価格で出すようなものしか扱っていないのに
呉服店と名乗らないで欲しいって面と向かって言われた事があります。
特に悔しいとか悲しいといった感情はありませんでしたが、
その時は「じゃあ一つの判断基準をウチで作れるようにしよう」って思いました。
「合繊繊維より絹の方がいいな」とか
「礼装着はちょっと奮発して◯◯円まで予算を出してみよう」とか
「着物を着る事が楽しくなってきたので次はランクアップしてみよう」
って思ってもらうのって着物の入り口を広げたり
分かりにくい部分をより分かりやすくする事にありますよね。
これを解決する為には、まだまだ勉強と努力が足りないなーと思っています。
ご意見など頂ければ幸いです。
長くなりそうなので今回はこの辺で。
最後まで読んで下さった方どうもありがとうございます。
おやすみなさい。